免許返納者の声 #02
「車のない暮らしで見つけた、ちょうどいい毎日」
Bさん(福岡県太宰府市・80代・女性)
Bさんは、配偶者の治療のための通院をはじめ、近くのかかりつけ医、スーパー、花屋などへ日常的に車で移動していた方です。大病院までは自宅から約15kmあり、都市部へ出る際は駐車場所を探す手間を避けるため、電車を利用することもありました。駅までは徒歩で移動していたといいます。一方で、大型スーパーの駐車場で車を斜めに入れてしまったり、自宅の駐車場でこすったりすることがあり、中央線のない道路で対向車とすれ違う際に左へ寄ることへ不安を感じるなど、運転のしづらさを自覚する場面が増えていました。そうした中で、2019年の池袋の高齢者による暴走事故をきっかけに、免許返納を決意されました。
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1. 返納時の葛藤と不安
返納に際して、葛藤や心配はありましたか?
「夫が亡くなって2年ほどたち、自宅から半径5〜6キロほどの範囲で花屋へ行ったり、郊外の催し物に出かけたりと、楽しみも増えてきていました。一方で、自分自身が少しずつ衰えてきている実感もありました。少々の不自由さは年相応のものとして受け入れながら、生活のスタイルを変えていく必要があると思いました。いざとなればタクシーもあると思っていましたし、返納そのものに大きな躊躇はありませんでした。それよりも、自分が事故を起こすことのほうが怖かったです」
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2. 返納後の生活と不便さ
返納後の生活はいかがですか?不自由なく暮らせていますか?
「福岡市内に住む友人は、気軽にバスに乗って病院へ行けるそうですが、太宰府市はコミュニティバスのルートも本数も限られています。自宅の場所からすると、停留所へ向かうくらいなら、そのまま歩いて店へ行ったほうがよいと感じることもあります。普段は電動自転車を使っていますが、台風が近づいて停電の可能性が出てきたとき、カセットコンロを買うために風雨の中をスーパーまで行った際には、車がない不自由さを感じました。また、病院を予約していても体調が悪く、自転車で行く元気がないときには、車があればと思うこともありました。そのときは、たまたまタクシーも利用できませんでした」
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3. 移動手段の工夫と楽しみ
電動自転車を使う中で、車で移動していた頃と比べてよかったことはありますか?
「電動自転車は身軽に動けるので便利です。これがなければ、『ちょっとスーパーへ行こう』という気持ちも我慢してしまうと思います。健康になったかどうかは分かりませんが、年を重ねると生活にそれほどスピードは要らなくなるので、自転車くらいの速さがちょうどよいと感じています。自転車に乗りながら道沿いの花を見たり、見知らぬ小鳥を見つけたりと、年相応に楽しみ方が変わってきたように思います」
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4. 支援制度の利用と新しい取り組み
自治体の返納支援制度や、運転経歴証明書は活用されていますか?
「返納したときには、電子ICカード5,000円分をもらいました。それ以外の支援はあまり使っていませんが、タクシーはアプリで呼んでいます。そのタクシーアプリをきっかけに、公民館のスマホ教室の企画にも協力するようになり、今では2年目になります」
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5. 返納後に感じたこと
返納してよかったと感じますか。
「事故を起こさずに済むので、返納してよかったと思っています。車の維持費もかからなくなったので、その分を孫の学費のために役立てることもできました。今は股関節を痛めていて、自分で改善するためのトレーニングもしていますが、セニアカーの利用も検討しています。このあたりではまだ使っている人がいないので、最初に使う人になるのもよいかもしれないと思っています」
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6. 高齢ドライバーの方々へのメッセージ
最後に、高齢ドライバーの方へ伝えたいことはありますか?
「周囲が返納を勧めるときは、ひとつの潮時なのだと思います。家族は、ふだんの体の状態や運転の様子を見たうえで危ないと感じて伝えているのだと思います。ただし、家族の病気のために遠くまで行かなければならない方や、ほかに移動手段がまったくない方は、事情が異なるとも感じます」
編集後記
とてもお元気にお話しくださいました。「時間に余裕があるのだから」とゆったりとした生活を送っている印象で、歩くことにもあまり抵抗がない方々でした。
車の運転はできないけど、こんな楽しみもある、と前向きにお考えになっていらっしゃいました。
まず免許返納の検討から入るのではなく、車を手放しても生活に困らない移動手段がないのか、逆に車を持たないことによるメリットがありそうか一度調べてみるのはいかがでしょうか
また、ご家族の方は、日頃車で行っている場所について、どんな方法で行くことができるのか本人に代わって調べていただき、一緒に体験する機会を作ることもしていただくと、ご本人も一歩を踏み出せ、少しでも安心につながっていくのではないでしょうか。
是非 免許返納体験用紙や運転能力診断もご利用していただければと思います。
(高齢ドライバードットコム 担当)






